今のところ全く予定はありませんが、いつか来るであろうまだ見ぬ大物との戦いに備え、アブガルシアのビッグシューターコンパクトに装着したスタジオコンポジット社の「剛力招来」という名を冠したパワー系カーボンハンドル。
ビッグシューターコンパクトのハンドルは純正品でもかなりロングなのですが、その純正ハンドル長95mmを更に上回る軸間102mmという超ロングなダブルハンドルにも関わらず、
純正ハンドル45.7gに対して、
剛力招来は36.2gという軽量っぷりです。
これだけしっかり握ることができる大型のノブを備えていながらにしてこの軽さなので、「いや~カーボンハンドルって軽いんだな~」と関心しておりました。
が!
先日敢行した「バスロッドで海のオフショアの釣りをやってみる」チャレンジの後、なんだかハンドルノブに違和感を感じるようになりました。
目次
スタジオコンポジットのハンドルノブが壊れた
二つ備わったハンドルノブの内、どうも片方のノブにコシがなくグニグニと曲がる感じです。
なんとなく「芯が無くなった感覚」とでも言いましょうか、
こんな感じでノブを摘んでグニグニすると、ノブがグニグニするんです。
もう片方は異常なし。
????
この段階では「EVAがへたったかな~」程度にしか思っていなかったのですが、
どうにか簡単に修理できないものかとハンドルからノブを取り外し、
画像の隙間に薄くて硬いもの(この時はピンセット)を差し込んで、グリップの軸から周囲のEVAを剥がし、
ノブの軸からEVAをスポっと引き抜いてみるとなんと、
軸が折れとるやないかーい!!
※ハンドルキャップの雌ネジ部分は無理にEVAを剥がそうとして事故的に破壊してしまいました。
おおぅふっ、、、、。
なんということでしょう。
どうやらハンドルノブのグニグニは、EVAのへたりではなく軸が折れていたことが原因だったようです。
そんなデカい魚なんてかけてないのに、、、シクシク。
とゆ~か、こんなにごついくてしっかり握れて相当な力が掛かることが容易に想像できるであろうハンドルノブの肝心要な部分である軸が、プラスチックってどういうこと?
おいおいおいおいスタジオコンポジットさん、ちょっと考えれば分かるでしょうよ!
こうなってみるまでは気にもしなかった部分ではありますが、例えば軸には金属を使うとか、もっと強度のある素材を使うとか、他になにか良い方法はあったのではじゃないでしょうか。
だから軽かったのか、とそこは妙に納得。
かなり高価なハンドル(実売価格15000円前後)ですし、剛力招来なんて強そうな名前ですし、仮にも「パワーハンドル」なんですから、そのへんの強度は当たり前に欲しいところではありました。
これは完全に終了。
もうダメだ、このノブは修理できない。
はああぁぁ~うわぁぁぁ~いやあぁぁぁぁぁぁ、また出費があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
これはさすがにノブだけでも交換しないといけないようですね。
スタコン製ノブに交換する方向で考えてみた
そういうことで、泣く泣くハンドルノブのみを交換する方向で考えてみました。
しかしさくっと調べてみても、どのノブが適合するのかが良く分かりません。
そこでメーカーホームページを覗いてみると、
EVA KNOB SERIES
軽量かつフィット感抜群のEVAノブ。濡れtも滑りづらく、発泡倍率を調整することで市販品よりも表面硬度の高いEVAを製作。すべてのサイズに互換性があるため、ターゲットやスタイルに合わせてサイズチェンジが可能。
引用元:スタジオコンポジット公式HP
なるほど、EVAノブシリーズであれば「全てのサイズに互換性がある」わけですね。
そこで楽天で手に入るスタジオコンポジットのEVAノブを調べてみると、
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一番サイズが大きく、ノブのみで入手可能なものがこれだったのですが、、、
ハンドルノブたった1個のお値段がなんと\3,888とな!
しかも現在のものと同じノブはどうやら生産を終了しているらしく、片方が壊れているからといって見た目上の問題で1個だけを交換というわけにもいかず、2個買うとなると約8,000円も掛かってしまいます。
それはないぜスタジオコンポジットさん!
ハンドルノブを3個買う金額で、下手したらビッグシューターコンパクト本体の中古品が買えてしまうではありませんか。
高い、、、高、、、過ぎ、、、る、、、。
一度折れてしまった軸を実際に見てしまったからには、同じスタジオコンポジット製のノブにそんな大金を払う勇気もありません。
んんん~どうしたもんでしょう。
スタコンにダイワのハンドルノブを装着してみた
それならばとスタジオコンポジットのHPに記載のあった「ダイワSノブ交換可能」という文字に期待を込め、試しに手持ちのダイワのハンドルノブを装着してみると、
あれっ、
あれれれれれっ、
若干のシム調整は必要なようですが、思った以上にジャストフィットしました!
しかも見た目がかなり良い!!
このダイワのノブがもう1個あれば、ビッグシューターコンパクトがまるで怪魚対応ベイトリールであるWM60(ワールドモンスター)のような佇まいになるはずです。
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これはナイスな発見をしたものだとネットで同じノブを探してみると、
11カルディア 3520PE-SH
No.203 ハンドルノブ 1H1388 \3,300
No.204 ハンドルノブSC 10A333 \200
No.205 ハンドルノブキャップ 116492 \1,400
税抜合計 \ 4,900
そうなんです、画像のハンドルノブは11カルディア3520PE-SHの純正品だったんです。
しかし純正品って高いですね、ノブ1個で税込みにすると5,000円を越えます。
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同じ純正でもRCSのハンドルノブの方が見た目が格好良い割りに金額はほぼ一緒。
しかしRCSのノブで揃えると2個で1万円オーバー。
いやいやいやいや無理無理無理無理!
カルディアのハンドルノブ1個でも高くて悩むのに、見た目に拘ってRCSノブ2個で1万円オーバーなんて夢のまた夢の話。
どっちを選んでも見た目が最高で強度も申し分無さそうなんですけどね。
低所得アングラーにはかなりきつい金額です。
そうすると、マジでどうしよう、、、。
どうにかして修理してみる
スタジオコンポジットのハンドルノブも高い!
カルディアのハンドルノブはもっと高い!!
というか、剛力招来自体が結構な金額でしたので、もうこれ以上ハンドルにお金を掛けたくはありません!!!
そこで行きなれたホームセンターで使えそうなものを物色することにしましたが、1度目の入店では使えそうなものを探し出すことができず、日を改めた2度目の入店でやっと良いものを発見することができました!
ふっふっふっふ。
これはもしかすると、世界初の発見かもしれませんよ。
まずは壊れたハンドルノブと2液性エポキシ系接着剤、あとはクラフトテープ。
エポキシ接着剤は普段仕事で使うものを使用しましたが、
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小容量で安価なものもありますし、最近はダイソーでも売ってあるそうですね。
あとはただ安かったという理由で選んだNITTOのクラフトテープが\100。
これらを使ってまずは、
エポキシ接着剤の1液と2液を、
ダンボールなど不要なものをパレット代わりにして1対1の分量で混ぜ合わせ、
自ら破壊してしまった雌ネジ部分の割れ面にちょんちょんと塗布し、
割れた破片を軽く引っ付けます。
そうしたら引っ付けた破片がずれないように、クラフトテープを巻いて仮固定しましょう。
お次は今回のメインである、折れた軸の破断面にこれまたエポキシ接着剤を軽く塗布し、
割れた断面同士をピッタリくる位置に合わせたら、
同じくクラフトテープを巻いて仮固定します。
そしてここからが世界初の発見となるであろう、スタジオコンポジットのハンドルノブを修理するためのホームセンターで簡単に手に入る格安部品の出番です。
バーン。
それがこちら、SANEIというメーカーのベンリー給水管という名の配管部品です。
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おっ、楽天でも手に入るみたいですね。
私はホームセンターで税抜き\351で入手しました。
なぜこれが世界初の発見なのかというと、
このベンリー管の内径は約11.6mm。
スタコンハンドルノブのプラスチック軸直径は約11.4mm。
そう、ほぼ一緒なんです!!
ホームセンターに行った初日は目当ての材料がある可能性が高そうなネジコーナーや金属パイプコーナーなどを中心に物色していましたが、内径12mmのパイプは沢山あったのですが内径11.5mmというパイプは一切見当たりませんでした。
それが2回目に行った際に普段はあまり立ち寄らないコーナーを中心に物色してみると、まさかの水周り関連コーナーで内径がピッタリのパイプに出会うことができたというミラクル。
このベンリー管の存在、スタジオコンポジット社の人も知らないんじゃないでしょうか?
軸にベンリー管を軽く差し込んでみると、仮止めしているクラフトテープがぐしゃっとなるほどのピッタリ具合です。
完璧すぎる!ありがとう、三栄水栓!!
プラスチックの軸とベンリー管のピッタリ具合を確認できたところで、ベンリー管を必要な長さにカットするために軸部分の長さを測ります。
そうしてパイプカッターでベンリー管をカット。
パイプカッターは上の記事で使ったものですが、肉厚で硬いイレクターと違い、ベンリー管はかなり簡単にカットすることができました。
しかしここで問題が。
画像をよく見て欲しいのですが、パイプカッターを当ててカットした部分が若干へこんでしまいました。
軸の外径より0.数ミリ太いだけのベンリー管の内径がこれだけへこんでしまっては、中に軸を差し込むことができません。
そこで、
パイプカッターの背面に標準装備されている「リーマー」というバリ取り部分を使い、パイプの内径が元のサイズに戻るまで根気良くゴリゴリゴリゴリと回し続けました。
※今回の作業でここが一番大変だったかもしれません。そのため今後ベンリー管をカットする際は、パイプカッターの刃は余り力を入れずに当ててやる必要があるなと思いました。
ここまで済めばあとは簡単。
プラスチック軸に2液性エポキシ接着剤を塗りたくり、
カットしたベンリー管に挿入。
仮差した時にぐしゃっとなったクラフトテープですが、接着剤のヌルヌル効果のおかげか今回はぐしゃっとならずにスムーズに差し込むことが可能でした。
あとは溢れ出てきた余分な接着剤をティッシュなどで拭き取れば、
これでプラスチック軸の修理は完成です。
最後にベンリー管の外側にこれまた接着剤を塗りたくり、
最初に分離したEVAグリップを装着するのですが、元のプラスチック軸に比べて太くなった外径に対してキツキツで嵌らないのではないかと心配でしたが、
なにも問題なし!
ベンリー管自体がかなり肉薄なため、EVAの装着に対してなんの影響もありませんでした。
接着剤のヌルヌル効果もあったのでしょうね。
これでスタジオコンポジットのハンドルノブの修理が完成しました。
ハンドルキャップ側から見てみると、とても軸の外周に金属のパイプを追加したようには見えません。
接着剤が乾くより先に例のグニグニ具合が治ったのかが気になりノブをグニグニしてみましたが、今回の修理によってグニグニする症状は完全に完治してくれたようです。
これは素晴しい仕事をしたもんだと感動し、壊れていない側のハンドルノブも補強の意味を込めて、軸の外周にベンリー管を装着してみることに。
まずは軸の外径とベンリー管の内径をよりピッタリにするために、画像のように3箇所に1周ずつクラフトテープを巻き、
接着剤を塗ってベンリー管をパイルダーオン。
最後にEVAグリップを取り付けたら補強完了です。
壊れていない側の作業はかなり簡単、5分もあれば余裕で終わります。
世のスタジオコンポジットハンドルオーナーさんは、プラスチックの軸が折れてしまうより先のこの補強作業を施しておくことで、より安心して力いっぱいグリップを握ることが可能になると思います。
ハンドルグリップの修理まとめ
今回の作業は私のDIY史上、最高のものだったと絶賛自画自賛中です。
ちょっとハンドルノブが壊れたからと新しいノブを買おうと思ったら1個で約4,000円。
それが今回は、手持ちだった接着剤とクラフトテープ代を除けば、なんと1/10の金額(約400円)で修理することができました!
おそらく、今回私が行った作業は「世界で一番安価にスタジオコンポジットのハンドルノブを修理できた」と言えるのではないでしょうか。
下手したら修理する前に比べて、強度は増しているのではないだろうか?
そんな期待すらあります。
軸が折れる前にベンリー管を追加した方のノブは確実に強度が増しているでしょうし、折れたほうも外周を金属のパイプで保護することでそこそこ強くなったはず。
いや~、まだ出会ってもいないし未だ出会う予定もないまだ見ぬ大物とのファイトが俄然楽しみになってきました。
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かなり高価なハンドルですが、パワーファイト時におけるその使いやすさはその他ハンドルに比べると、飛び抜けていると良いっても過言ではないでしょう。
もしノブが破損しても今回のように格安での修理が可能であれば長く使うことができるでしょうし、そうであれば高いお金を払ってでも購入してみる価値ありありかと。
中古でも沢山出回ってますしね。
陸っぱりの釣りはもちろん、ソルトのオフショアバーチカルゲームでは特にスタコンのハンドルの(ノブの強度は別にして)素晴しさが分かります。
あとは今回修理したハンドルで、何かの間違いもしくは偶然でもいいからデカイい魚を掛けてみて、修理後の強度がどれ程のものか試してみるだけですね。
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