最近手に入れたティムコのステルスペッパー90Sというプロップベイト(シンキングスウィッシャー)ですが、興味本位で使ってみるとこれが驚くほど簡単にバスが釣れてしまう、「ただ巻きで本当に釣れるルアー」であることが発覚しました。
発売から数年が経ち、すでに全国で釣れる釣れると評判高いルアーについての記事なんて今更感が拭えませんが、だって、最近になってその存在を知ったんだからしょうがないじゃないか。(エナリ風)
最近の私が足しげく通うフィールドは、熊本県では超メジャースポットとなる江津湖なのですが、そこは全体的に水深が浅く、所狭しとウィードが生い茂っているためにオカッパリの釣りでは皆トップ系ルアーを投げているように見て取れます。
そこでトップのルアーにスレたであろうバスを釣ろうと考えたときに、あまり潜るルアーでは根掛かりするし、ワームの釣りは苦手だし、みんながあまり通していないであろう層であるトップ以下、サーフェスよりちょい下を広く探れるルアーはないかと探していたところ、このステルスペッパーに辿り着きました。
元O.S.P社員、現ボトムアップ代表でありオカッパリのプリンスこと川村光大郎さんが、ステルスペッパー110Sを「ルアーパワーを感じるルアー」として全国で釣りまくっているのは有名な話だと思うのですが、そのせいか某オークションだとステルスペッパーの110Sってちょっとプレミアついて定価超えてませんか?
そのため私はベイトタックルでもなんとかキャスト可能な自重7gであり、比較的安く新品が購入できるステルスペッパー90Sをチョイスしてみました。
目次
TIEMCOによるステルスペッパーの解説
実際に使ってみて、ティムコが言う「ナチュラル&アピール」というのがよく分かりました。
後述しますが、ナチュラルでありアピール力もそこそこ強く、それが「動かないボディ」と相まってなのか、相当数の魚を目に見て寄せることができます。
「動かないボディ」とありますが、厳密にはフラフラフラ~と左右に極軽くフラつきながら弱弱しく泳ぐので、その姿はフィッシュイーターから見ればまさに弱ったベイトフィッシュそのものに見えるのでしょう。
「コダワリ満載のプロップ」についても、文字で読むより実際に使ってみることでその素晴しさに気付くことができました。
ルアーのサイズに対して大きく、そして薄いプロップはとにかくよく回転します。
どれだけゆっくり引いても回転するのはもちろん、キャストの際にも勢いよく回りますし、ルアーを手に持っているだけで僅かな風に反応してプロップが高速回転します。
「キャラキャラキャラ」というより、「シャラシャラシャラ」といった回転音ですね。
メーカーの推奨タックル
メーカーの推奨は以下の通りです。
ベイト | スピニング | |
ロッド長 | 6‘0~6‘6 | 6‘4~7‘0 |
テーパー | レギュラー | レギュラー |
素材 | カーボン | カーボン |
アクション | L~ML | L |
フロロ | 6~10lb | 3~5lb |
スピニングの場合PE0.3~0.6号でもオッケーですが、フロロの場合も同様に6~8lbのリーダーをセットするように、とのこと。
これは細いラインがプロップと接触することでのラインブレイクを防ぐ目的のようです。
私の使用タックル
「よし、新しいルアーを買ったからそれに合わせてロッドも買うしラインも巻きなおすぞ!」
とはならないのが、あくまで趣味の一環として釣りを嗜む一般アングラーというもの。
特に私の場合、オカッパリの釣りではロッドを1本しか持ち歩きませんし、一度の釣行で色んな種類(小型クランクからネコリグワーム、1oz超えのビッグベイトまで)のルアーを投げるため、ルアーのキャスト上下限幅が広い、所謂バーサタイルなロッドでステルスペッパーを投げています。
ロッドはダイワが満を持して世に送り出す「ただひたすらに実釣性能へこだわり、本質のみを見つめて創造されたブラックレーベル」シリーズから「BL+6101MHFB-G」を使用。
ブラックレーベル プラス 6101MHFB-G
- 全長(m):2.08
- 継数(本):1
- 仕舞寸法(cm):208
- 自重(g):137
- 先径/元径(mm):2.2/14.9
- ルアー重量(g):7-42
- ルアー重量(oz):1/4-1・1/2
- ラインナイロン(lb):12-25
- カーボン含有率(%):58
これはキャストウェイト7g~となっていますが、実際には5gもあれば快適にキャストが可能なスーパーバーサタイルロッドであり、私にとってのオカッパリの1本です。
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巻きモノ好き、ムービングルアー好きには最高の一振りかと。
BL+6101MHFB-Gに合わせるリールは同じくダイワから、メーカーのバス釣りベイトリールでは最高峰となるスティーズシリーズの「スティーズA TW 1016H」です。
スティーズA TW 1016HL
- ギヤ比:6.3:1
- ハンドル1回転糸巻量:67cm
- 最大ドラグ力:6kg
- 標準自重:190g
- ボールベアリング:8
- ローラーベアリング:1
- ライン糸巻量:12lb135m/14lb115m/16lb100m
- ATDドラグ
- スーパーメタルハウジング
- 超高精度G1 マグフォースZ スプール
- ソルト対応、シャワー洗浄可
- ドラグ調整、引き出しクリック音
飛距離も出るしバックラッシュもしない、それでいてタフで力強いのに軽くてコンパクトなリールです。
褒めすぎじゃないかって?
いえいえ、これでもまだまだ褒めたりないほどなんですよ。
ラインもこれまたメーカー推奨の範囲外である、ルアーに対しては太めとなるナイロンの16lbを巻いています。
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これは最近になって使い始めたラインですが、今のところ強度不足も感じないしトラブルも皆無、あとは耐久性がどれほどのものかを経過観察中です。
ステルスペッパー90S(自重7g)に対してロッドはMH、ラインは16lbとルアーに対して相当オーバースペックなタックルセッティングではありますが、この組み合わせでも20m以上は投げることができますので、よほど大場所でもない限り実釣可能な範囲でしょう。
90Sというサイズ感
はじめは川村光大郎さんがよく使っておられる110Sが欲しかったのですが、90Sで何匹か釣ってみるとこっちで良かったと今では満足しております。
私は釣った魚のサイズを競い合うことはしませんので、できればサイズ問わずたくさん釣れてくれた方が嬉しいという考え方の人間です。
そうするとルアーのサイズはアピールを損なわない限界まで小さく、そしてなるべく魚が食べやすいひと口サイズであればあるほど数は釣れると思うんですよね。
その点ステルスペッパー90Sはベイトタックルで扱える最低限の自重を有しており、そこまで大きくないので小さい魚でも果敢にアタックしてきてくれます。
これが55S(3.8g)とか70s(5g)とかになってくると別途スピニングタックルが必要になってきますので、いつも使っているタックルで投げられる範囲の中で一番ひと口サイズな90Sで良かったな~と思う次第です。
※本当は90Sが不人気なのか一番安く買えたからというのは内緒の話。
クリアPヘッドというカラー
あまりバス釣りルアーでは見ないカラーではないでしょうか。
引用元:TIEMCO公式HP
シーバスルアーではよく見るカラーのように思いますが、使ってみるとこれがなかなかバス釣りにおいても有効なカラーなんじゃないかと思うようになってきました。
まず目立つのがピンクのヘッドですが、この部分のおかげで水面下10~50cmを引いているルアーが今どこにあるのか、はっきりと見えるんです。
人間から見てルアーがどこにあるのか、その視認性がとても高くて助かっています。
あとはクリアなボディ。
購入前は「水に浸けたら透明人間みたいになって、ボディは見えずにプロップだけがバスに見える不思議な感じになるのでは?」と思っていましたが、実際に水に浸けてみるとそんなに透明透明はしておらず、水の中でもボディのシルエットがはっきりとします。
光の反射?屈折率?ちょっと難しい話は苦手なので説明できかねますが、水中では若干キラキラしているようにも見えました。
このステルスペッパーはゆっくり巻いているとよく、バスなどの魚がルアーのすぐ後を追ってきているのが見えます。
ルアーをじっくり観察して、それから喰うか喰わないかを決めるんでしょうね。
そのため明らかに不自然な色であるよりも、透明だったりナチュラルだったりするほうが魚が喰うまでに至るのかな?そう考えるようになりました。
そして何匹か釣ったあとだから言えることなのですが、このクリアPヘッドというカラーは間違いなく釣れるカラーですね。
ステルスペッパーに限ってのことなのか、はたまた別のカラーのステルスペッパーだったらもっと釣れていたのか、それらを確かめる術はありませんが、釣りが下手な私が超ハイプレッシャーなメージャーフィールドの天才バス達をハードルアーで釣っているという事実が、ステルスペッパーのクリアPヘッドは釣れるカラーであることを証明してくれていると思います。
とにかく魚を寄せる
このステルスペッパー90Sですが、投げてゆっくり巻いているだけでルアーの後ろにたくさんの魚がついてきます。
「寄せる力が強い」とはこういうルアーに使う言葉なんだと知らされました。
数匹群れて泳いでいるバス達のそばを通すとその中から3~4匹はルアーを追ってきますし、ブルーギルなんて10匹以上でまとまって追っかけてきます。
何の魚なのかは分かりませんが黒くて細長くて2~3cmしかない小さい魚でさえ群れを成してステルスペッパーを果敢に追い回します。
そしてちゃんと釣れてしまいます。
私のよく行くメジャーフィールドではギルでさえスレており、2インチ程度のライトなワームを駆使してやっと釣ることができるんだと思っていたのですが、このブルーギルは9cmもあるルアーにも関わらず迷わず喰ってきました。
ちゃんと口にかかっていますね。
あまりワームの釣りをしない私に久しぶりにブルーギルを釣らせてくれました。
こうやってみると、世にあるギル型ビッグベイトは本当にギルにそっくりですね。
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ステルスペッパーのアピールは強いほうなのでしょう。
同じ魚のそばを通すと3回目にはスレて追うのを止めてしまうことが多いように感じます。
せっかく追ってくる1~2回目の間に、どうにか口を使わせる工夫ができればさらに釣果は伸びるでしょう。
偏光グラスをかけていると追ってきている魚の有無がよく見えてスリリングですよ。
魚を「寄せる力」に関しては、正直フィッシュアローのハドルミノー、もしくはコーモランのスピンバイアスの方が上かもしれません。
このルアー達は巻いているとどこからともなく魚が飛びついてくる、もしくは寄ってくるイメージなのですが、ステルスペッパーはデッドスローで巻いているからか魚のそばを通したあとに追ってくる感じです。
まだ試していないですが、早巻きしてプロップで水面をバシャバシャ波立てながら引いたりすればもっと広範囲にルアーの存在をアピールできるかもしれないと考えたりしています。
ルアーの使い方
これは未だ模索中ですが、今のところよく釣れているのはデッドスローリトリーブ時が一番多いです。
キャスト後1~2秒ほど沈めて、プロップが水面に波を立てないギリギリのところをゆ~っくりと巻くように心掛けています。
なんて難しい言葉を使いましたが、簡単に言うと「ただ巻き」ですね。
とにかく投げてゆっくり巻く、本当にこれだけでオッケーなのですが、ここで重要だと感じたのがリールのギア比でした。
私は先述したスティーズA TWのハイギア(ギア比6)は使いやすいと感じているのですが、違うタックルで使うとなかなか上手に巻けませんでした。
それがこのスティーズSV TWなのですが、こっちはギア比が7のスーパーハイギアです。
単純にハンドルをゆっくり回せばいいだけなのでしょうか、元がせっかちな私が巻くとゆっくりのつもりでも、すぐにルアー浮いてプロップが水面を割ります。
I字形プロップベイトは「一定層をひたすら真っ直ぐ引いてくる」のが釣れる使い方だと聞くのですが、そういう泳がせ方をさせたかったらなるべくギア比の低いリールを使ったほうがやりやすいでしょう。
ステルスペッパーのメリット
ステルスペッパーを実際に使ってみて、「釣れる」意外にも感じたメリットをいくつかご紹介します。
根掛かりしないから無くならない
これはハードルアーにとってかなり重要なポイントですね。
平気で2000円とかしますので、ルアーを失うダメージはできるだけ受けたくありません。
ステルスペッパーは意識すればある程度の水深まで沈めて引くことができますが、基本は水面付近を横一文字に引いてくるルアーです。
そのため3フックのルアーにも関わらず、ほぼ根掛かりの危険性はないと言えるでしょう。
私が通うフィールドのようなシャローの攻略に最適なルアーだと思います。
初心者でも釣りやすい
単純に投げて巻くだけで魚が釣れるルアーって、多いようで少ないと思うんですよね。
釣りが上手な人であればルアーにアクションをつけたほうが釣れるんだと思いますが、私のような釣り下手な人間にとって、ただ巻きで釣れるルアーの存在がどれだけありがたいことか。
スピニングタックルでも十分投げれる重さなので、タックルを選ばないという意味でも釣りをはじめたばっかりの人には最高のルアーなのではないでしょうか。
他のプロップがないI字系ルアーのように「全く引いてる感じがない」ということもなく、多少の引き抵抗があり手元でペラの回転を感じることができるため、ルアーを巻き続けるための集中力も持続しやすいと思います。
カスタムで生まれ変わる
シンカーステッカーを貼ってウェイトチューンすることで、飛距離も伸ばせますしシンキングスピードを早めることができます。
そうすると遠投して早く巻けて、より広範囲をサーチできるルアーに生まれ変わるでしょう。
あとはペラの角度を曲げることで、水を攪拌する力だったりルアーの引き抵抗を任意の加減に調整することが可能らしいので、上級者でも十分に使い込めるルアーだと言えます。
釣りに集中できる
このルアーは投げてゆっくり巻くだけです。
できるだけゆ~っくり引いてくることが釣れる秘訣だと思うのですが、この「ゆっくり引く」という動作には意外と結構な集中力を必要とします。
ルアーを投げて、1~2秒待ったらそこからリールのハンドルを等速でゆ~っくり巻くんです。
そうすると、目線はルアーに、意識はリールを巻く手に集中します。
これがいいんです。
例えば会社で嫌なことがあった日は仕事帰りにちょっとステルスペッパーを投げてみる。
そうするとルアーの位置やリールを巻く速度のことばっかり考えて、他の余計なことは忘れることができます。
それで魚が釣れれば更に会社であった嫌なことを忘れられますよね。
釣りに集中すると、頭の中が釣りのことばっかりになるのでたまにはいいですよ。
思っていた以上に頑丈だった
プロップベイトの弱点はペラの弱さ。
岸際を狙ったつもりが岸にルアーを当ててしまい、その衝撃でペラの角度が変わると真っ直ぐ泳がなくなるなどの不具合が発生してしまいます。
特にこのステルスペッパーは極薄0.2mmのペラのため、すぐに変形して泳がなくなるんだろうな~と覚悟していたのですが、すでに数回岸に激突させてしまった今でも目に見えるペラの変形はありませんし、ちゃんと真っ直ぐ泳いでくれます。
思っていたよりも頑丈だったので、これからもガンガンきわどい所を攻めることができます。
ステルスペッパーのデメリット
ここまで良いことばかりを書いてきましたが、私が感じたステルスペッパーのデメリットもいくつか書いてみます。
フロントフックがラインに絡む
まぁこれはステルスペッパーに限ったことではないのですが、絡みにくいルアーに比べると「ちょっとフロントフックがラインに絡みやすいかな」といった程度です。
ただその他の箇所に関しては3フックルアーのわりにはトラブルがほぼなく、かなり優秀だと言えます。
魚が追ってきてからの喰わせが難しい
投げて巻いているだけで本当にたくさんの魚がルアーの後ろをついてくるのですが、そこから食わせるのが非常に難しいです。
私のへっぽこな腕に問題があるのは重々承知ですが、追ってきている間にちょっとジャークを入れてみたり、早巻きしてみたり色々と試してみましたが、今のところどのアクションにも反応を示してくれていません。
それよりは本当にただゆっくり巻いている最中に喰ってくることが多いのですが、追ってくるだけの魚をどうにか喰わせることができれば超過は激増すると思われます。
テールのフックにギリギリ掛かる
ネットでステルスペッパーのインプレを探してみると、「ガバッと持っていかれる」とか「狂ったように喰ってくる」などの評判を目にしましたが、私の場合は「後ろからついてきたバスがテール部分をついばむように咥えてルアーを持っていく」ことが多いです。
最近ステルスペッパー90Sで釣った可愛いバスですが、
リアフック1本、しかも外掛かりです。
バイト直後にこの状態だったのはすぐに分かったので、どうせバレるだろうと諦めていた魚だったのですが、そこはロッド(ブラックレーベルプラス 6101MHFB-G)の魚の動きに追従してくれるよくできたテーパーのおかげでなんとかバラさずにキャッチすることができました。
ただ、何度かバラしている内のほとんどがリアフックの1本掛かりが多いように感じます。
集中力を使いすぎて疲れる
これはメリットとも重複しますが、巻いているだけでとにかく魚がついて来るルアーなのでいつバイトがあるのかと常に集中しておく必要があります。
本当に足元まで追ってきて、そこで喰ったりしますからね。
また、一定の層を一定速で巻くためにも非常に集中力を使いますので、疲れるんですね。
元からスローリトリーブが得意な人でしたら問題ないのでしょうが、私のようにガサツな人間には繊細すぎて、一日中巻いていられないほどです。
ただ、最近は集中力を鍛えるためにひたすら投げていたりもします。
ステルスペッパーのまとめ
もちろんフィールドや状況、季節によってルアーの「釣れる」「釣れない」が変わってくるのは重々承知のうえですが、何度も言いますが釣りが下手な私がスレたバスをハードルアーで釣っている、という実績があるルアーであることには間違いありません。
ステルスペッパーを喰いにきたのどうかは定かではありませんが、蛇も釣れましたしね。
※岸際を引いていたらいきなり草むらから飛び出してきてヒット。
今後は追ってきた魚をどう喰わせるかが課題ですが、例えばラインを細くしてみたり、ウェイトチューンを施して早巻きができるようにしてみるなど対策してみたいと思います。
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ただステルスペッパーの90S自体もそうですが、特にクリアPヘッドが売ってある所をあまり見かけないのですが、もしかして世間的には不人気なのでしょうか?
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