世界中の釣り人から愛され信頼されているフィッシュグリップは?
と聞かれれば、それはエスタボガタックル社のボガグリップだ、と答える人は多いでしょう。
オールステンレス製で非常に錆びにくいため、タフに長期間使用することが可能なことから、よく「ボガグリップは一生もの」だと評価されています。
そもそもフィッシュグリップは、釣った魚のアゴをそのハサミで挟むことで、魚をなるべく傷つけずに安全にランディングするために用います。
また、魚の口からフックを外す際に、魚が暴れてフックが釣り人の手に刺さってしまうような事故を防ぐためにもとても有効です。
私は上記の理由から、釣り人(特にトレブルフックを多用するルアーマン)にとって、フィッシュグリップは絶対に必要な道具だと考えています。
そんな「絶対に必要な釣り道具」は、やはりいいものを長く大切に使いたい。
そう思い、世の中に星の数ほどあるフィッシュグリップの中から購入を決めたのがボガグリップだったのですが、いくつか種類がある中で「30lb」と「15lb」とで、とても悩みました。
ネットの評判を見ると「大は小を兼ねる、ボガグリップ30lbがあれば淡水の小物からオフショアの大物、世界の怪魚まで全部OK」だったり、「ボガグリップ15lbでも日本の魚だったらほとんど問題ない、30lbに比べると重量が軽いから携帯性にも優れる」だったり、結構意見が分かれています。
どちらの意見も一長一短、そしてどちらも魅力的な商品です。
私の場合、あまりにもどちらを購入するかを決めかねたため、百聞は一見にしかずの精神のもと、とりあえずどちらも購入してみました。
そこで今回は、ボガグリップ30lbとボガグリップ15lb、どちらを買えば釣り人は幸せになれるのか?を実物を比較しながら考えていきたいと思います。
目次
ボガグリップの特徴
ボガグリップ MODEL 130 30lb
全長:265mm 重量:460g 計測上限:30lb(約13.5kg)
主な対象魚種:シイラ、カツオ、ヒラマサ・ブリなどの青物、モンスターシーバス、ビッグバラマンディなど。
ボガグリップ MODEL 315 15lb
全長:230mm 重量:280g 計測上限:15lb( 約6.75kg)
主な対象魚種:シーバス、ブラックバス、サーモン、サクラマス、マダイ、クロダイなど。
上に書いたことと重複しますが、ボガグリップはオールステンレスのため錆びることがほとんどなく、しっかり魚をキープすることができ、それでいて魚を優しくキャッチ&リリースできるため、世界中の釣り人から愛されています。
またハサミ部分が大きく頑丈なため、アゴに厚みがある巨大な魚でもしっかり掴むことができ、ボディが360°クルクルと回転するため、魚が暴れてもバラしにくい構造をしています。
そして最大の特徴が、魚の重量を計測できるスケール(ポンド表示)が付いていることです。
堅剛な外観からは想像できないほど正確なスケールを内蔵しているため、I.G.F.A.(国際ゲームフィッシュ協会)への記録申請にも使用できます。
例えば、あなたが偶然にも世界記録級の大きな魚を釣ってしまった場合でも、ボガグリップを持ってさえいれば、正式に記録申請する事が可能だということなのです。
グリップ比較
まずはグリップ部分の比較をしてみます。
陸っぱりの釣りではボガグリップをロッドホルダーに収めて携帯する私にとって、ここのサイズの違いが、合わせるロッドホルダーの選定にとても重要でした。
まず30lbのグリップ太さですが、直径約30mmです。
30lbのグリップ長さは約155mm。
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30lbはこのダイワのロッドホルスターというロッドホルダーにジャストフィットします。
そのため、リーニアの陸っぱりバッグにこのように取り付けて持ち運ぶことが可能です。
15lbのグリップ太さは、直径約26mmです。
15lbのグリップ長さは約135mmでした。
30lbに比べると、ひとまわりコンパクトですね。
この15lbだと、グリップが細くなったせいで先述したダイワのロッドホルスターに挿入すると、スルっと抜けてしまいます。
なかなか合うホルダーが見付らないんですよね~、15lbは。
しかし私は手が小さいほうなので、30lbよりも15lbの方が持ち(握り)やすいと感じます。
ハサミ部分比較
フィッシュグリップの最重要箇所、ハサミ部分です。
パッと見で30lbの方がかなり大きいように感じますが、数値的にはどうなのでしょう。
では比較していきます。
まずは30lbです。
30lbのハサミ開き寸法は約27mm。
30lbのハサミの深さは約16mmです。
30lbのハサミの厚みは約3.2mmですね。
次は15lbを見ていきます。
15lbのハサミ開き寸法は約23mm。
15lbのハサミ深さは約14mm。
ハサミ厚みは約2.9mmでした。
30lbを基準にすると15lbは開き寸法で-4mm、ハサミ深さで-2mm、ハサミ厚みで-0.3mmという結果でした。
見た目にはもっとサイズに違いがあるように感じていたのですが、こうやって実際に計測してみると、そんなに大きくは変わらないんだと驚きました。
ただ、大きな魚を釣ったは良いが、この僅かな差で魚のアゴを掴めないなどあった場合、悔やんでも悔やみきれない思いをすることでしょう。
本体重量比較
私が一番悩んだのがこの重量です。
タックルや荷物はなるべく軽量にしたい、しかし不意な大物も安心してキャッチしたい。
きっと皆さんもそうお思いでしょう。
まずは30lbから。
カタログスペック(460g)よりも若干軽いものの、実測で約454gあります。
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どれぐらいの重量なのか体感したい人は、上の飲料がほぼ同重量なのでコンビニなどで探して手に持って確認してみてください。
次は15lbです。
これはなんと、カタログスペック(280g)と全くの同重量です。
さすがU.S.Aクオリティー、0.1g単位で計測しているにも関わらず一切の誤差無しでした。
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15lbの重量を体感したい場合は、この飲料がほぼ同重量なのでお近くで探してみてください。
これも30lbを基準とした場合、15lbの方が約180g軽いという結果です。
※これはカタログスペックから容易に分かることではありますが。
180gといえばコンビニで買えるカエフォレぐらいありますでしょうか。
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カフェオレ分軽いほうがいいのか、それともカフェオレの重さごときでメーター越えの怪魚への夢を諦めないか。
悩ましいところですね。
それぞれの選び方
例えばオフショア用に30lbを、陸っぱり用に15lbをと使い分ければいいのでしょうが、ひとつひとつが結構な金額ですし、できれば道具は少なく、できるだけ万能なものを厳選して所有したいものです。
30lbを選んだほうがいい場合
- メーター超えの大物をよく釣るor狙っている
- 体力に自信があり、カフェオレ1本分の重さは全く気にならない
- 大は小を兼ねると心の底から思っている
- 少しでも楽にランディングし(魚のアゴを掴み)たい
- 万が一暴漢に襲われた際、ボガグリップで撃退したい
15lbを選んだほうがいい場合
- 釣ってもランカーシーバスまで
- 陸っぱりの釣りで使うことがほとんど
- 道具は軽いに越したことはないと思っている
- カフェオレ1本を無駄に持ち歩きたくない
※15lbでも暴漢を撃退できる十分な攻撃力を備えていると思われます。
サイズ比較まとめ
30lbと15lbのサイズ比較をおさらいします。
30lb | 15lb | |
全長 | 265mm | 230mm |
計測上限 | 13.5kg | 6.75kg |
本体重量 | 454g | 280g |
ハサミ開き寸法 | 27mm | 23mm |
ハサミ深さ | 16mm | 14mm |
ハサミ厚さ | 3.2mm | 2.9mm |
グリップ太さ | 30mm | 26mm |
グリップ長さ | 155mm | 135mm |
大きな違いは30lbを基準とすると、15lbは計測上限が5割、本体重量が6割という点でしょう。
私が選んだのはボガグリップ15lb
どちらもしばらく使ってみましたが、私の場合は15lbで十分だということが分かりました。
人生初のランカーシーバスは92cm、14.5lb(約6.5kg) だったのですが、これがボガグリップ15lbの丁度限界です。
もうこれ以上の大物を釣る機会もそうないでしょうし、普段はバス釣りがメイン、たまにソルト陸っぱりとオフショアの釣りに行く程度なので、30lbは私にはオーバースペックなのです。
そしてやはり陸っぱりで持ち歩くには30lbはとても重たい。
ショルダー&ウエストバッグで道具の重みを肩と腰に分散しているつもりですが、それでもすぐに肩が痛くなってきます。
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オフショアの青物メインとか、アマゾンで怪魚を狙うとかじゃない限り、ボガグリップは15lbで十分だと思います。
どちらも使ってみて分かったのですが、ちょっとハサミ部分が小さくなったところで魚を掴み辛くなったとは微塵も思いませんし、それよりもやはり本体重量が軽くなるメリットはかなり大きいと感じました。
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30lbがどうしても必要なんだ!という人は、もう少しお金を出して30lbのボディに60lb用のハサミを移植した130スペシャル(別名怪魚ハンター御用達モデル)を選んだほうが、15lbとの違いが大きくなって選ぶ意味が出てくるかと思います。
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