釣りのスタイルとして相当マイナーではありますが、「自転車フィッシング」や「ちゃりんこランガン」という言葉で表現されるニッチな世界があります。
これは陸っぱり(ショア)の釣りでの移動を自転車で行うことを指します。
よく釣り場で見かける小中学生あたりのキッズ達がロッドを片手にママチャリで爆走している様がまさにそれなのですが、キッズ達は徒歩以外の移動手段が自転車しかないから自然とそうなるのであって、私のように車にもバイクにも乗れるおっちゃん大人がわざわざ自転車に乗ってランガンするのは、当然その行為に意味があるから。
その意味については先日書いた上のブログで熱く語っておりますが、簡単にまとめると「徒歩よりも自転車の方が楽にランガンできるから広範囲を移動するようになり、そうすると魚と出会う確率が跳ね上がるよ!」ということ。
自分で書いておいてなんですが、これには一理あるなと納得させられました。
時間がある方は是非読んでみてください。
目次
絶対必要な自転車用ロッドホルダー
これも先日のブログで書きましたが、もしロッドホルダーが無い自転車だったら、長尺の荷物(ロッド)を片手に持ったまま残った片手で自転車を運転することになると思いますが、常識のある大の大人がそんな危険なことをやっていてはダメですよね。
我々大人は、いつも子供達の手本でいなければいけません。
というか、今回のブログを書くにあたりちょっと調べてみてビックリしたのですが、なんと自転車の片手運転は「道路交通法第70条、71条」で禁止されており、違反すると「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」が課せられるとのこと。
片手運転の禁止
携帯電話の通話や操作をしたり、傘を差したり、物を担いだりすること等による片手での自転車の運転をしてはいけません。
引用元:自転車の安全利用促進委員会
いやはや驚きました。
20年近く自転車に乗っていなかったからか全く知りませんでしたが、どうも片手運転は立派な「罪」なんだそうです。
ねっ、絶対にやらないようにしましょうね。
これで自転車でランガンする場合は、ロッドホルダーの装着が絶対条件となりました。
市販の自転車用ロッドホルダー
自転車購入時、同時にロッドホルダーの市販品も探してみたのですが、これがなかなか見付かりませんでした。
実店舗にはまず置いてありませんでしたし、ネットショップで探してみても、
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ちょっと大げさで、リアキャリア(荷台)がないと取り付けできないものを発見できただけ。
更にネットで調べ進めてみると、
SEASCAPE スピニングロッドホルスター
仕様:ロッドホルダー
マウント方式:丸パイプマウント
角度範囲:360度 17段階
適合範囲:21-23mm / 25-27mm
価格/購入:4,286円(税込4,500円)引用元:fimo SEASCAPE
自転車専用といっても過言ではない造りなロッドホルダーを見付けることができましたが、結構な値段がしますし、どの販売ページを見ても総じて品切れな状態。
人気で販売が追いついていないのか?
それとも、、、。
ただ、はじめのうちは値段抜きに考えればちょっと欲しいかも~なんて思っていたこのロッドホルダーも、よくよく使い勝手をイメージしてみると○○○が●●●いちゃう問題を抱えているように思えてきて、残念ながら購入候補から外すことに。
※○○○が●●●いちゃう問題については後述します。
その後も色々調べてみましたが、やはり市販品で選べる程の商品が存在しないためか、みなさん自作しているみたいですね。
ネットでよく見る自作ロッドホルダーの問題点
試しに「自転車 ロッドホルダー」で検索してもらうと分かるですが、2019年1月10日時点で約370,000件もヒットしました。
まぁ中には記事の重複や大した内容の無いもの、SNSの投稿ページなどが多数含まれているため、実際にはそんなに沢山のページがあるわけではありませんが、世間には自転車にロッドホルダー付けて釣りやってる人って結構多いんですね。
※でも実際に使っている人を見たことないですけどね。
私は吊橋を叩いて渡る派なので、何かやる際は事前に結構な時間をかけてリサーチしますが、今回のロッドホルダー自作に関しても相当数のブログ等を読み漁りました。
そこで気付いたのが、みんなこのロッドホルダー好き過ぎ!ということ。
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10人中8人は大体これ(もしくは似たような樹脂製のホルダー又は塩ビパイプを加工したもの)に、
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これの組み合わせ。
例えばこのブログでは、
引用元:うみねこの釣り日記
結構分かりやすく作り方を紹介してくれていますので参考になりました。
※最もよく見かけた100均の傘ホルダーを使ったものは強度が無いだろうという理由から即却下しました。
作り方も結構簡単ですし、見た目も良いので人気なのでしょう。
実は以前、カヤックの艤装に使った余りのGMロッドポストがたまたま手元に残っていたため、これとミノウラのボトルゲージホルダーのみをネットで購入し、一旦は作り始めることに、、、。
が、作りながらよくよく考えてみると、このGMロッドポストにタックルを挿した状態で自転車を漕ぐと、どう考えてもロッドがガタガタしますよね?
そうするとどうなるでしょう。
スピニングタックルあればリールフット周辺が。
ベイトタックルであればグリップのトリガー周辺が。
よほど舗装された平らな路面を走る場合は心配ないのかもしれませんが、釣りのランガン中に通る路面なんてほとんどがガタガタする道だと考えて問題ないでしょう。
硬いロッドホルダーと大事なタックルとが移動中、常にガタガタガタガタぶつかり続けますので、どうシュミレーションしても確実に傷が入ると考えました。
うん、それはとても困ります。
これが先述した「○○○(ロッド)が●●●(きずつ)いちゃう問題」です。
ちなみに、
GMロッドポストでカヤックを艤装した記事はこちらをご覧ください。
揃えた材料
今回のロッドホルダーを制作するにあたり、構想に3日かけた材料を紹介します。
まずはミノウラ ボトルホルダー BH-100 Ssizeを用意。
確かAmazonで1000円ぐらいだったかな?
「ハンドルバーやシートポストに追加のボトルゲージ(ドリンクホルダー)を追加するための便利なホルダ」というのがこの商品の本来の使い方とのこと。
安く買えたわりにかなりシッカリした造りですし、信頼と実績のmade in japanであることが判明。
これはお買い得でした。
メインの材料はこんな感じ。
先述したミノウラのボトルゲージ(以下ボトルゲージ)と、ダイワのロッドホルスター(以下ロッドホルスター)。
これは、

以前所有していたリーニアのタックルバッグ「グルーパー」に取り付けて、ボガグリップホルダーとして使用していたもの。
あとは、
「アルミ平角棒」という名のアルミの板材(以下アルミ板)。
ホームセンターでウロウロと物色し悩みに悩んだた結果、素材は錆びがこない&加工性が高いアルミニウムを選択。
様々な厚み幅がある中で、3mm厚×40mm幅×長さ1m=948円(税別)がベストっぽかったのでこれを購入しました。
※長さは20~30cmしか必要ないのですが、一番短いのが1mのもので最安でした。
あとは細々したネジ類ですね。
最強のロッドホルダーの作り方
大変長らくお待たせしました。
ここからやっと、自作方法の詳細です。
まずはロッドホルスターの裏の、
縦にはしるマジックテープ部分をカッターで剥がしていきます。
こんな感じに剥がせればOK、横向きにはしるマジックテープは邪魔にならないし、簡単に剥がせる造りではないためそのままにしておきましょう。
お次はアルミ板をロッドホルスターの全長よりもやや短めにカット。
私は普段の仕事で使う電動工具(ディスクグラインダー)を使用しましたが、
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アルミ合金はかなり加工しやすいので、ホームセンターで安く買える手挽きの金鋸でも十分カットできますのでご安心ください。
アルミ板のカット寸法は大体こんな感じ。
アルミ板の角がロッドホルスターからはみ出なければOKです。
※はみ出すとアルミの角が皮膚に当たって痛い思いをするのです。
そうしたら、お次はボトルゲージのネジ穴位置をアルミ板に油性ペンでマーキングし、
ドリルでアルミ板に穴を開けます。
そしてその開けた穴を利用してアルミ板とボトルゲージをドッキングさせるのですが、この後がそこそこ重要。
上の画像の左のネジはボトルゲージに付属の純正ネジ、右のネジはホームセンターで調達した「超低頭ネジ」という、てっぺんがとても薄く作られているネジです。
このネジ頭の薄さが伝わりますでしょうか。
ほら、純正ネジは出っ張りまくりでしょ?
これをやっとかないと、ロッドホルスターの表面にネジのボコッとした感じが出てきてしまい、見た目にも使用感にも悪影響を及ぼしてしまうため、ネジには拘りましょう。
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お次はアルミ板×ボトルゲージ(以下ステー)とロッドホルスターをドッキングさせるため、適当な位置に合わせて両方を貫通する穴を開けます。
ぐさぁぁぁ、っと。
その穴を利用して、先程紹介した「超低頭ネジ」をロッドホルスター側からインするのですが、上の画像のように、かなり大き目のワッシャー(ネジ穴径は通常サイズなのにワッシャー自体の直径が大きいもの)をかませてやると、ロッドホルスターに開けた穴周辺の経年の使用による破損等を防ぐことができるのでおすすめです。
ステー側にネジの先端が出てきますので、
ナットで締めますが、自転車のガタガタする振動で勝手に緩まないように、ここは緩み止め機能付きナイロンナットがおすすめです。
これでロッドホルダーは完成です。
表から見る分にはそんなに自作自作しておらず、なかなかスタイリッシュ。
裏はやっぱり自作感が滲み出てますね。
が、これもアルミ板を黒く塗装するなり黒いテープを貼るなりすればかなり改善できる部分かと思います。
自転車への取り付け位置
構想3日、制作時間30分でサクサクっと自作してみたロッドホルダーを早速自転車に取り付けてみます。
まず最初はこの位置。
ロッドホルダーをできるだけ下方に装着することで、ワンピースのロッドを挿した際にティップ位置が高くなり過ぎる現象を抑えようという意図です。
とりあえずロッドを挿してみましたが、おおおっ、見た目にとっても格好良い!
ちょっとアングルを変えてみましたが、見た目的にはこの位置が最高ではないでしょうか。
が、勘の良い方はもうお気付きでしょう、、、。
私の自転車の形状だと、ロッドがフレームに干渉してしまい、右にハンドルを切ることができないという残念な欠陥が見付かってしまいました。
見た目が良かっただけに残念ですが、右に曲がれない自転車を運転できる自信はありません。
ということで、
ロッドホルダーを上方にズラして、
ハンドルを切ってもグリップエンドがフレームをかわすことを確認し、この位置でファイナルアンサーとしました。
なぜダイワのロッドホルスターなのか
かなりの数のロッドホルダー達を比較検討した結果、ダイワのロッドホルスターが一番自転車用ロッドホルダーとして優れていると感じました。
まずは素材が固くないこと。
フニャフニャしているという意味ではなく非常にシッカリとした造りなのですが、先述のGMロッドポストのようにプラスチッキーなカッチカチではないため、移動中のガタガタとした振動でホルダーとタックルが擦れて傷が付くリスクが非常に低いと思います。
そしてここ。
ロッドを挿した後、バンドでしっかり固定できるんですよね。
これら2つの理由から、ダイワのロッドホルスターが自転車用ロッドホルダーに適していると言えます。
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まとめ
最後に書くのもあれなんですが、今回紹介のロッドホルダーは決して安くは作れません。
ダイワのロッドホルスターが約2000円。
ミノウラのボトルホルダーが約1000円。
アルミ板が約1000円。
それにネジやらワッシャーやらナットやら(全てステンレス)なので、大体4000~4500円位かかっています。
そのため「自作して安く済ませたい派」の人達には向かないでしょう。
しかし、大切なタックルを不要な傷から守るためには今回紹介した組み合わせが最適だと思います。
ロッドやリールって結構な金額しますからね。
そんな高価なタックルを運搬するのですから、そこにお金をかけてしっかりとしたものを作るのはとても大事なことです。
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